y200500c_A1.jpg今週を持ちまして、三十年間燃え続けて参りました爐火を消させて頂く事となりました。 「 三味一体、爐に満る 」 貴方様との出逢いに感謝申し上げます。

   

   今週の初の膳 酒の肴膳は、「三味」をテーマとして
     鯛昆布締め柚子釜
     真魚鰹笹香焼き
     百合根かもまんじゅう
     辛子明太子寄せ
     舞茸松の実したし
     三色清し汁
     お口すすぎは 朱杯菊酒 でございます。

 

四季の微妙な移り行きに 鋭敏な感覚を学びながら、季節に折目をつけてお客様を迎え 従事者ともどもに未熟ながらも心をつくし、一期一会のおもてなしに努めて「光陰如矢」気がついてみれば、早や本年をもちまして満三十年の月日が流れ去りました。

 

お客様の心を我が心に、甘酸鹹苦辛の五味をこえた真味、即ち「また食べたい」と感じていただける後味を目指して務めること、それが「爐談亭のおもてなしの味」と考え
、天地の恵みに感謝しつつ味わう巡りめく「四季の恵みの素材の味」。何よりもまして「お客様のもう一味」が、加わってからこその「三味一体」の爐談亭でございます。

 

残された日々を貴方様との出逢いに感謝申し上げ、千八百週目の最終章「三味の膳」至十月三十一日まで、従事者ともどもに未熟ながらも心をつくし務めさせて頂く所存でございますれば 皆様お誘い合わせの上、ご来亭をお待ち申し上げております。

 

亭主合掌

 


2012-10-28 13:12 | トラックバック(0) | コメント(0)

akinoyonaga.jpgさても深まりゆく秋の夜長に和蝋燭のほの明かりで、ご飲食をお楽しみ頂きます。
しみじみと酌み交す酒には豊富に出回る秋の実りが、より一層興趣を添えてくれる
ことでございましょう。

 

昔の秋の夜なべ仕事に砧(きぬた)打ちと申して洗濯物の糊を柔らげたり、藁を慣ら
す為に盤上に乗せて木槌で打つのですが、秋の夜長に秋風や秋の寂しさの中で聞く
砧を打つ音色は、物悲しげな哀調がございましたそうで現在ではほとんど聞かれませ
んが、わら砧は今でも農家で行われてる所もあるようです。

 

 今週の初の膳/酒の肴膳は、「秋の夜長」をテーマとして
  鴨の砧巻き、 むかごとしめじの柚子味噌
  五平もち、むらさき秋大根、秋小鰺の酢漬
  十三夜汁、お口すすぎは、かぼす でございます。

 

さて、旧暦八月十五夜の名月に対して、九月十三夜の月を 「後の月」と申しますが、
また十五夜を芋名月と云うのに対して、十三夜を栗名月とか豆名月と云い栗や大豆を
供えて祭ります。十三夜の月は「秋の夜長」に しみじみとした情味を感じます。

 

2012-10-22 12:01 | トラックバック(0) | コメント(0)

俗説にこの月、諸国の神々が出雲大社に集まるからとて十月を神無月と云い
年に一度のこの集まりで一年分の縁結びの相談を済ませてしまいます。

そういう伝説にあやかってか、この月から来月にかけては婚礼が多く
又、稲の収穫の終わったこの頃は、あちらこちらで秋祭りが行われます。

 

春祭りで豊作を祈ったのに対し、秋祭りは穀物の実りに感謝し、神にも供えて
共に喜ぶものでございます。縁結びも穀物の実りも、共に喜ぶ気持は ひとつで
ございましょうね。

 

 今週の初の膳/酒の肴膳は、「秋祭り」をテーマとして
  秋鯖祭りあずま、舞茸と菊花の胡麻味噌和え
  祭り煮しめ、大和芋蒸し、たこ塩辛青柚子おろし
  だまっこ汁、 お口すすぎは、松の実 でございます。

 

さて秋祭りの頃になれば、瀬戸内海沿岸の広島県中央から西部にかけて秋祭りや
正月に酒の肴やおかずとして来客に振る舞まわれる料理に、コノシロや鯖さばを
使っての「あずま」と云う伝統郷土料理がございます。

 

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このしろ等の小魚を背割りにして中骨を取り全体に塩をふって半日位置き表面を
さっと洗って二杯酢に二日位浸しておき、その浸け酢で味付けしたおからに、
おのみ(麻の実)などを加え、魚の腹に詰め込んだものを「あずま」と云います。

 

最近では、あまり見かけられない料理「あずま」は、子供の頃は食べるのが嫌で
したが、酒の味が分かるこの歳になれば、何とのう懐かしゅう味わい深くあります。
今週の初の膳のひとつに、この伝統料理「秋鯖祭りあずま」を楽しんでつかあさい。

 

2012-10-14 15:30 | トラックバック(0) | コメント(0)

古い言葉ながら「天高く馬肥ゆる秋」の好季節は、海山里川のさまざまな恵みは
枚挙にいとまなく、まさに実りの秋と申せましょう。

 

 今週の初の膳/酒の肴膳は、「実り」をテーマとして
  烏賊の新米印篭蒸し、里芋もろこし実り和え
  秋鮭黄金焼き、いり新銀杏、じゃが鴨の葱酢
  粟麩かぼす汁、お口すすぎは、焼き米 でございます。

 

秋に実を結ぶ木々の果実も限りなく、この頃は稲刈りの季節でございます。
早い所では八月下旬、遅い所では十一月下旬には刈られてしまいますが、

稲刈りが終わった後の田や畦道に落ちている稲穂は農家では一粒と云えども

大事な米で、落穂拾いは結構大切な仕事でありました。

 

昔は老人や子女が腰をかがめて落穂を拾い集めるさまを見かけられましたが、

ともすれば稲作をも軽視する近来、日本の農政のもとでは、うち捨てられた儘の

落穂を見かけることも稀ではなくなりましたようです。

 

2012-10-07 12:58 | トラックバック(0) | コメント(0)

hisinomi.bmpグロテスクで、まるで「コウモリ&グレムリン」みたいな形これ何だと思います?
この実は「菱(ヒシ)の実」と云い、沼などに生える一年草の水生植物 ヒシの
果実なんです。昔の広島県北一帯の沼でも見かけられたそうですが、農薬などの
水質悪化によりあまり見かけなくなったようで、古来、日本・中国・朝鮮半島・
東南アジアに分布し、最近では 主に九州は筑後&佐賀のクリーク(水郷)辺りで
栽培されています。

 

7月を過ぎた頃から小さく可愛らしい白い花を咲かせ秋9月下旬から10月上旬の頃になれば、葉っぱの下に実を結び、この葉っぱや果実が「ひし型」をしているところからヒシの実と呼ばれ、昔から大切な食料として利用されてたようです。

 

このヒシの実にはプラクトオリゴ糖が豊富に含まれているため胃腸の働きを活発にし、
胃腸を整える効果もあり二日酔いに良いとされてます。さらには体内の有害物を排除する「有機ゲルマニウム」が豊富に含まれている為 ガン予防などにとても効果があるそうで、健康食材としても古来より珍重されております。

 

「やれやれ!この皮ったら凄く堅く!剥くのにおおじょう(広島弁で苦労)します!」
塩茹でした その堅い皮を鋏や出刃包丁で ええやらさっと剥けば、白い実を現わし
味と云えば、慈姑(くわい)と栗を足して2で割ったような味で 珍味なんです!
あまり知られてないようで、大概のお客様が召し上がることが 初めての方が多く
グロテスクな割りには ホコホコとして美味しいなどとも云われ 今週の初の膳では、
夏の名残りの頃に実を結ぶ「ヒシの実の胡麻味噌」を 召し上がって頂いてます。


 

2012-10-02 14:06 | トラックバック(0) | コメント(0)
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