名残り 10月1日(月)~6日(土)

2012年9月30日

秋風が吹く頃ともなれば、香魚とも呼ばれる鮎は産卵のために清流を
下り短い一生を終える子持ち鮎の事を「落鮎」とも云います。
その子持ち鮎を丸ごと焼いてほうばる!これぞ実りの秋の醍醐味とも
申せますが、その鮎を素焼きし番茶で下炊き、更には朴葉の香りを添えた
合わせ出しでコトコト弱火で炊く事5時間.....「煮浸たし」に致しました。

 

komochiayu.jpg何処が身やら黄金色の はち切れんばかりの卵をのぞかせる子沢山で
突き出した腹から卵がのぞく様子は、いかにも食欲をそそります。
口の中ではじけるような独特の食感は、九月下旬から十月いっぱいの
そのわずかな期間だけの味わいでもあり、夏の鮎とはまた違う美味しさの
「名残りの季節」を代表する川魚です。

 

また昔は十月の茄子を「名残り茄子」又は残り茄子を木に付けたまま売りに
来たので「木なり茄子」とも云います。秋が深まるにつれ肌理がこまかくなり
甘味を含んだ秋茄子は最も美味しい時節でございます。今週は過ぎゆく夏の
「名残りの膳」と致しました。

  

  今週の初の膳 (酒の肴膳)は、「名残り」をテーマとして
   落ち鮎朴葉煮、梨と水前寺海苔の白和え
   走り蕎麦がきとろろ、菱の実、たたき酢牛蒡
   名残り焼茄子ずんだ汁、 お口すすぎは、青紫蘇です。 

 

古語辞典によりますと「名残」とは「波残ナミノコリ」の約であると云います。
波の引いた後に、なお残る物そこから転じて、あることの過ぎ去った後まで
尾を引く物事や感情の意です。暦の上では来月で秋も逝きますが、夏秋の
天地の恵みを感謝しつつ、この季節ならではの自然の真味を心静かに味わう
べき秋だとは存じますが、「不時不食/時ナラザレバ食ワズ」豊食の時代に
この言葉の意味を、私達は改めて考えてみる必要があるようでございますね。

 

2012-09-30 14:22 | トラックバック(0) | コメント(0)


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