秋風が吹く頃ともなれば、香魚とも呼ばれる鮎は産卵のために清流を
下り短い一生を終える子持ち鮎の事を「落鮎」とも云います。
その子持ち鮎を丸ごと焼いてほうばる!これぞ実りの秋の醍醐味とも
申せますが、その鮎を素焼きし番茶で下炊き、更には朴葉の香りを添えた
合わせ出しでコトコト弱火で炊く事5時間.....「煮浸たし」に致しました。

 

komochiayu.jpg何処が身やら黄金色の はち切れんばかりの卵をのぞかせる子沢山で
突き出した腹から卵がのぞく様子は、いかにも食欲をそそります。
口の中ではじけるような独特の食感は、九月下旬から十月いっぱいの
そのわずかな期間だけの味わいでもあり、夏の鮎とはまた違う美味しさの
「名残りの季節」を代表する川魚です。

 

また昔は十月の茄子を「名残り茄子」又は残り茄子を木に付けたまま売りに
来たので「木なり茄子」とも云います。秋が深まるにつれ肌理がこまかくなり
甘味を含んだ秋茄子は最も美味しい時節でございます。今週は過ぎゆく夏の
「名残りの膳」と致しました。

  

  今週の初の膳 (酒の肴膳)は、「名残り」をテーマとして
   落ち鮎朴葉煮、梨と水前寺海苔の白和え
   走り蕎麦がきとろろ、菱の実、たたき酢牛蒡
   名残り焼茄子ずんだ汁、 お口すすぎは、青紫蘇です。 

 

古語辞典によりますと「名残」とは「波残ナミノコリ」の約であると云います。
波の引いた後に、なお残る物そこから転じて、あることの過ぎ去った後まで
尾を引く物事や感情の意です。暦の上では来月で秋も逝きますが、夏秋の
天地の恵みを感謝しつつ、この季節ならではの自然の真味を心静かに味わう
べき秋だとは存じますが、「不時不食/時ナラザレバ食ワズ」豊食の時代に
この言葉の意味を、私達は改めて考えてみる必要があるようでございますね。

 

2012-09-30 14:22 | トラックバック(0) | コメント(0)
tukimi2.jpg中秋の名月とは陰暦八月十五夜の満月を云い、今年は九月三十日にあたります。
月の前に秋の七草を飾り [ 団子,柿,芋,酒 ]を 供えて名月を賞でるのが月見の宴

で ございますが、古人は冴え渡る月の光を心行くまで鑑賞するために、総ての

明かりを消したものと申します。

 

古来よりこの夜 月を賞するに衣被(きぬかづき)を三方に盛って供える風習から

中秋の明月を一名 「芋名月」と呼び里芋や柿を供え、これに対して陰暦九月十三

夜の月を「栗名月、豆名月」といい、栗や大豆を供えて月を賞でます。

今週は、十五夜や十三夜にお供えする食材を使った「お月見」の膳でございます。

 

  今週の初の膳/酒の肴膳は、「月見」をテーマとして
   鯛栗の月色蒸し、秋茄子と茶豆の胡麻和え
   叢雲の月とろろ寄せ、柿なます、里芋松笠焼
   月見団子汁、 お口すすぎは、にごり酒 でございます。

 

因に「叢雲(むらくも)の月」とは雲で見え隠れする月のことで、何と風情ある表現

ですね。今週では、亭内板中央に設えます昔ながらの月見飾りに、今ではあまり

見かけられなくなった「お月見の風情」と、出回り始めました「秋の味覚」を お楽し

み下さいませ。

 

2012-09-23 22:54 | トラックバック(0) | コメント(0)

19日は彼岸の入り 九月二十二日は秋分の日であり、彼岸の中日にあたり
お彼岸を過ぎる頃ともなれば、朝夕は涼しく一段と凌ぎやすく秋を感じ始める
時節ともなりす。又、この頃降る雨は長雨になりやすく、秋雨前線が停滞し
梅雨に似た気象配置で、これに台風の接近がある等この時節の長雨を「秋霖
しゅうりん」とか「秋ついり」と云いますが、今年は一早く秋の日一天雲なく
晴れ渡ったさまを見ることが出来そうです。

 

 

 今週の初の膳(酒の肴膳)は、「秋色」をテーマとして
  秋刀魚の梅煮、栗せんべいと焼湯葉、揚出し山芋
  吹き寄せ山家金平、秋鮭と秋大根砧巻きの胡麻酢
  秋茄子そうめん汁、 お口すすぎは、胡桃 です。

 

いよいよ絶えまなく秋の食材が出回り始め、食欲の秋を迎えます。今週は秋の
気配を感じていただく「秋色」の膳でございます。

 

 

 秋から半年間限定!当亭の名物自慢 「しめさば」 を始めました。

 

shimesaba.jpgこれから迎えようとする秋には、海山里川のさまざまな恵みは枚挙にいとまなく、
この時節から秋の味覚を多々ご紹介出来るとは思いますが、その中のひとつとして、
まずはお客様が楽しみになさる名物自慢「しめさば」を本日より始めました。
当亭のしめさばには、ポン酢や醤油は、お出ししません。酢橘だけを 絞って召し上が
ってもろうちょります。 当亭での締め方!造り方!の多くは語れませんが、
何よりも鮮度が一番です。少々レアーだとは思いますが、生臭くありません。

 

鯖をお嫌いのお客様が、つい箸をつけられ「これ!? 旨い!」の一言いただけることは
何んと嬉しいことじゃろう!生意気にも当亭名物自慢の「しめさば」でございます。
この「しめさば」は 秋より春までの半年間のみ お楽しみ頂く当亭季節限定料理です。

但し、鮮度良き「地さば」を使用致しますので、入荷無き場合はご容赦下さいませ。

 

   今では余り見掛けられなくなった伝統郷土料理 「あずま」

 

azuma.jpg尚、当亭独自の「地さば寿司&地鯖あずま」をご予約のみで ご用意させて頂きます。因みに「あずま」とは、広島・岡山からなる瀬戸内地域の郷土料理で「あずまずし」とも呼ばれます。鯖やコノシロの酢締めに酢飯の代わりに「おから」の酢締めを詰め込んだ広島沿岸部の「秋祭りや正月頃の伝統料理」でもあり酒の肴には堪えられません。

 

 

2012-09-16 14:38 | トラックバック(0) | コメント(0)

そもそも9月15日が「敬老の日」でしたが、現在では「老人の日」と改め
今年の「敬老の日」は9月17日。その週をシルバーウィークとされました。

 

さて、お婆ちゃん子であった私の幼い頃には今は亡き祖母から色々な昔話を
聞かせて貰ったものですが、中でも「姥捨て山」の話は、いつも私を可愛が
ってくれるお婆さんを何故に山に捨てに行かなければならないのか不思議に
思ったり、自分が老人になった時の事を心配したものでございます。
その時代は生活苦から老人を山に捨て、老人もそれを得心ずくで捨てられる
と云う「楢山節考」の話しは、子供心に抱いていたことよりも もっと残酷で
悲惨な制度であったようでございます。

 

今の時代はご老人を大切にする色々な制度がありますが、私達の日常生活に
いわゆる「姥捨て山」のなきように心掛けたいものでございますね‥‥

 

 今週の初の膳 酒の肴膳は、「敬老」をテーマとして
  鱚の養老柚香焼き、林檎と蒸鳥の白和え
  萩海老しんじょ、里芋磯辺和え、茗荷かも田楽
  しめじ汁、 お口すすぎは、小梅と結び昆布

 

さて今週の当亭は、敬老の日に因んで「敬老の膳」古来より、御老人のことを
よく「萩の花」 に例えられます。枝を曲げ垂れ下がり咲き誇る萩の花を
腰を曲げられるお年寄りの姿に写したものでしょうね。その萩花の姿を写した
「萩しんじょ」を始めとして、ご老人の白髪がごとくの「林檎と蒸鶏の白合え」
また敬老の日の長寿をお喜びして「鱚の養老柚香焼き」更には「茗荷鴨田楽&
里芋磯辺和え」そして「しめじ汁」などお年寄りにも優しく口当り良き献立を
ご用意致しました。今週は常日頃お世話になっている お爺ちゃんお婆ちゃんと
ご一緒にお立ち寄り頂ければ嬉しゅうございます。

 

2012-09-09 19:23 | トラックバック(0) | コメント(0)

重陽は五節句の一つで 九の数は陽の極みであり、陽が二つ重なるゆえに重陽とし
又、九が二つ重なるゆえ九月九日を重九(ちょうきゅう)とも云われ、更に 重九は
長久(ちょうきゅう)に通じるので目出たい極みとされ、不老長寿の意から祝った
のでございます。重陽節は、もとは中国に端を発し、わが国では平安時代より
宮廷の行事として取り行われ、詩歌を成して菊の宴が開かれ、民間では菊人形の
見世物などが行われました。

 

今週の初の膳 酒の肴膳は、「重陽の節句」をテーマとして
  菊花小蕪鴨詰め、烏賊の緑酢和え、利休栗、
  蓮芋と海老の山家煮、初さんま幽庵焼き、
  青海波清し汁、 お口すすぎは「菊酒」でございます。

 

重陽の節句.jpg

陰暦にすれば、菊の盛りなので菊の節句と称し、菊の花びらを浮かべて酒を飲む
と云う菊酒は邪気を払い命が延びるといわれ、又この頃は栗も出まわるので栗の
節句とも称され、重陽の節句には栗飯を食べたり致したそうでございます。

 

2012-09-02 14:47 | トラックバック(0) | コメント(0)
Copyright (C) 2008 rodantei. All Rights Reserved.