momijigari.jpg十一月は霜を見ることが多いので霜降月と云い秋も深まる頃、山々の木々が
紅葉(こうよう)又、黄葉(もみじ)することを総じて"紅葉(もみじ)"と申します。
楓の紅葉はことに美しいので紅葉は楓を指すことが多く、若葉の楓もいいですが
薄紅から唐錦へと色づく楓は自然の造形で、その見事さに目を奪われます。
また葉が黄色に変わる櫟(くぬぎ)や銀杏なども、やはり黄葉(もみじ)と呼び
雑木黄葉のも見捨てがたい美しさがございます。

 

 今週の初の膳/酒の肴膳は、「紅葉狩り」をテーマとして
  鹿の子鰆紅葉化粧、 海老道明寺もみじ山
  吹き寄せ素揚げ、牛肉大和煮、柚子しめじ
  初牡蠣汁、お口すすぎは、銀杏 でございます。

 

十一月八日(立冬)より暦の上では冬とはなりますが、行く秋惜しむ紅葉狩りと
洒落込んで酒が飲めるのは月始めのうちで、次第に酒席の主題は「火」へと
移って参ります。今年も例年に比べ山の紅葉も遅れの様子とか!? 
冬真近とも感じられない最今ではございますが、亭内天井までの紅葉木を配し、
ひと足早い「紅葉狩り」をお楽しみ頂きます。 (もちろん生木の紅葉ですよ!)

2011-10-30 13:10 | トラックバック(0) | コメント(0)

秋の夜長.jpg

さても深まりゆく秋の夜長に和蝋燭のほの明かりで、ご飲食をお楽しみ頂きます。
しみじみと酌み交す酒には豊富に出回る秋の実りが、より一層興趣を添えてくれる
ことでございましょう。

 

昔の秋の夜なべ仕事に砧(きぬた)打ちと申して洗濯物の糊を柔らげたり、藁を慣ら
す為に盤上に乗せて木槌で打つのですが、秋の夜長に秋風や秋の寂しさの中で聞く
砧を打つ音色は、物悲しげな哀調がございましたそうで現在ではほとんど聞かれませ
んが、わら砧は今でも農家で行われてる所もあるようです。
 
 今週の初の膳/酒の肴膳は、「秋の夜長」をテーマとして
  鴨の砧巻き、 むかごとしめじの柚子味噌
  五平もち、むらさき秋大根、秋小鰺の酢漬
  十三夜汁、お口すすぎは、かぼす でございます。

 

さて、旧暦八月十五夜の名月に対して、九月十三夜の月を 「後の月」と申しますが、
また十五夜を芋名月と云うのに対して、十三夜を栗名月とか豆名月と云い栗や大豆を
供えて祭ります。十三夜の月は「秋の夜長」に しみじみとした情味を感じます。

 

移りゆく爐談亭の秋を、どうぞごゆるりと「五感」でお楽しみ頂ければ嬉しく思います。

 

2011-10-19 14:33 | トラックバック(0) | コメント(0)

azuma.jpg      秋祭り頃の昔なつかし伝統郷土料理 「 あずま 」

 

俗説にこの月、諸国の神々が出雲大社に集まるからとて十月を神無月と云い
年に一度のこの集まりで一年分の縁結びの相談を済ませてしまいます。
そういう伝説にあやかってか、この月から来月にかけては婚礼が多く
又、稲の収穫の終わったこの頃は、あちらこちらで秋祭りが行われます。
春祭りで豊作を祈ったのに対し、秋祭りは穀物の実りに感謝し、神にも供えて
共に喜ぶものでございます。縁結びも穀物の実りも、共に喜ぶ気持は ひとつで
ございましょうね。

 

 今週の初の膳/酒の肴膳は、「秋祭り」をテーマとして
  秋鯖祭りあずま、舞茸と菊花の胡麻味噌和え
  祭り煮しめ、大和芋蒸し、たこ塩辛青柚子おろし
  だまっこ汁、 お口すすぎは、松の実 でございます。

 

さて秋祭りの頃になれば、瀬戸内海沿岸の広島県中央から西部にかけて秋祭りや
正月に酒の肴やおかずとして来客に振る舞まわれる料理に、コノシロや鯖さばを
使っての「あずま」と云う伝統郷土料理がございます。
このしろ等の小魚を背割りにして中骨を取り全体に塩をふって半日位置き表面を
さっと洗って二杯酢に二日位浸しておき、その浸け酢で味付けしたおからに、
おのみ(麻の実)などを加え、魚の腹に詰め込んだものを「あずま」と云います。
最近では、あまり見かけられない料理「あずま」は、子供の頃は食べるのが嫌で
したが、酒の味が分かるこの歳になれば、何とのう懐かしゅう味わい深くあります。
今週の初の膳のひとつに、この伝統料理「秋鯖祭りあずま」を楽しんでつかあさい。

 

2011-10-16 14:22 | トラックバック(0) | コメント(0)

古い言葉ながら,「天高く馬肥ゆる秋」の好季節は、海山里川のさまざまな恵みは

枚挙にいとまなく、まさに実りの秋と申せましょう。

 今週の初の膳/酒の肴膳は、「実り」をテーマとして
  烏賊の新米印篭蒸し、里芋もろこし実り和え
  秋鮭黄金焼き、いり新銀杏、じゃが芋山椒酢
  粟麩かぼす汁、お口すすぎは、焼き米 でございます。

秋に実を結ぶ木々の果実も限りなく、この頃は稲刈りの季節でございます。
早い所では八月下旬、遅い所では十一月下旬には刈られてしまいますが、稲刈りが

終わった後の田や畦道に落ちている稲穂は農家では一粒と云えども大事な米で、
落穂拾いは結構大切な仕事でありました。昔は老人や子女が腰をかがめて落穂を

拾い集めるさまを見かけられましたが、ともすれば稲作をも軽視する近来、日本の

農政のもとでは、うち捨てられたままの落穂を見かけることも まれではなくなりました

ようです。

2011-10-11 16:08 | トラックバック(0) | コメント(0)

菱の実

2011年10月03日

ひしの実.bmp           夏の名残り頃に実を結ぶ「菱の実」

 

グロテスクで、まるで「コウモリ&グレムリン」みたいな形これ何だと思います?
この実は「菱(ヒシ)の実」と云い、沼などに生える一年草の水生植物 ヒシの
果実なんです。昔の広島県北一帯の沼でも見かけられたそうですが、農薬などの
水質悪化によりあまり見かけなくなったようで、古来、日本・中国・朝鮮半島・
東南アジアに分布し、最近では 主に九州は筑後&佐賀のクリーク(水郷)辺りで
栽培されています。7月を過ぎた頃から小さく可愛らしい白い花を咲かせ秋9月
下旬から10月上旬の頃になれば、葉っぱの下に実を結び、この葉っぱや果実が
「ひし型」をしているところからヒシの実と呼ばれ、昔から大切な食料として利用
されてたようです。

 

このヒシの実にはプラクトオリゴ糖が豊富に含まれているため胃腸の働きを活発にし、
胃腸を整える効果もあり二日酔いに良いとされてます。さらには体内の有害物を
排除する「有機ゲルマニウム」が豊富に含まれている為 ガン予防などにとても効果が
あるそうで、健康食材としても古来より珍重されております。

 

「やれやれ!この皮ったら凄く堅く!剥くのにおおじょうします!」
塩茹でした その堅い皮を鋏や出刃包丁で ええやらさっと剥けば、白い実を現わし
味と云えば、慈姑(くわい)と栗を足して2で割ったような味で 珍味なんです!
あまり知られてないようで、大概のお客様が召し上がることが 初めての方が多く
グロテスクな割りには ホコホコとして美味しいなどとも云われ好評です。

 

今週の初の膳では、夏の名残りの頃に実を結ぶ 「ヒシの実の胡麻味噌」を 召し上がって頂いております。

 

2011-10-03 12:32 | トラックバック(0) | コメント(0)

 

子持ち鮎.jpg     鮎とも思えないこの姿! 「落ち鮎の朴葉煮」

 

秋風が吹く頃ともなれば、香魚とも呼ばれる鮎は産卵のために清流を
下り短い一生を終える子持ち鮎の事を「落鮎」とも云います。
その子持ち鮎を丸ごと焼いてほうばる!これぞ実りの秋の醍醐味とも
申せますが、その鮎を素焼きし番茶で下炊き、更には朴葉の香りを添えた
合わせ出しでコトコト弱火で炊く事5時間・・・・・煮浸たしに致しました。
何処が身やら黄金色の はち切れんばかりの卵をのぞかせる子沢山で
突き出した腹から卵がのぞく様子は、いかにも食欲をそそります。
口の中ではじけるような独特の食感は、九月下旬から十月いっぱいの
そのわずかな期間だけの味わいでもあり、夏の鮎とはまた違う美味しさの
「名残りの季節」を代表する川魚です。

また昔は十月の茄子を「名残り茄子」又は残り茄子を木に付けたまま売りに
来たので「木なり茄子」とも申します。秋が深まるにつれ肌理がこまかくなり
甘味を含んだ秋茄子は最も美味しい時節でございます。

  今週の初の膳 (酒の肴膳)は、「名残り」をテーマとして
   落ち鮎朴葉煮、梨と水前寺海苔の白和え
   走り蕎麦がきとろろ、菱の実、たたき酢牛蒡
   名残り焼茄子ずんだ汁、 お口すすぎは、青紫蘇です 

古語辞典によりますと「名残」とは「波残ナミノコリ」の約であるといいます。
波の引いた後に、なお残る物そこから転じて、あることの過ぎ去った後まで
尾を引く物事や感情の意です。暦の上では来月で秋も逝きますが、夏秋の
天地の恵みを感謝しつつ、この季節ならではの自然の真味を心静かに味わ
うべき秋だとは存じますが「不時不食/時ナラザレバ食ワズ」豊食の時代に
この言葉の意味を私達は改めて考えてみる必要があるようでございますね。

2011-10-02 13:20 | トラックバック(0) | コメント(0)
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