野分(のわけ、のわき)とは、古くは台風と云う用語はなかったようで、風が野を
吹き分ける秋の強風の意で、台風を含めて秋の強風を総て「野分」と云ってたよう
です。昔から二百十日を中心に台風がやって来ると申しますが、また来て欲しくな
いもので、立春から数えて二百十日頃、今年は9月1日にあたります。
でも台風がやって来たから、これを食べましょうよ!と云う約束事は無論ありません

で、秋の気配が漂い始める野分の頃の 山郷料理をお楽しみ頂ければと思います。

 

 今週の初の膳 酒の肴膳は、「野分」をテーマとして
  秋味の野分焼き、大徳寺麩と独活のべっこう炊き、ごんぼう煎餅
  秋茄子と穴子のずんだ和え、湿地胡麻豆腐の猪山家葛あん
  名残り鱧と茗荷の味噌汁、 お口すすぎは 梨 でございます。

 

さて、台風ともなると「猪もともに吹かるる野分かな」(芭蕉)などと呑気に構えておら

れません。一雨ごとに朝夕の冷気が深まり、台風一過の澄み切った秋空を見上げて

おりますと「いよいよ酒と肴の旨さも深まる」などと思うのも私たち酒従の楽しみでも

ございますが、まだまだ残暑は暫らく続きそうですね。

2011-08-27 14:55 | トラックバック(0) | コメント(0)

立秋そしてお盆も過ぎた初秋に 天地すべてが、涼気が帯びて来るのを申しますが、
日中は まだまだ残暑殊の外きびしく 例年ですと若干ではありますが、朝夕何んと
のう涼しく、しのぎやすくなった今日この頃を 「涼し」とするのは、日中の暑さあって
こその季語「新涼」ではないでしょうか。  「 秋涼し 手毎にむけや 瓜茄子 」  芭蕉

 

 今週の初の膳 酒の肴膳は、「新涼」をテーマとして
  鮎の名残り焼き、茄子の猪飛騨味噌煮 ちりめん覚弥、
  百合根鴨まんじゅう、茗荷梅かつを青紫蘇巻き
  蕎麦米汁、 お口すすぎは 山家実山椒 でございます。

 

「紀州梅がつを青紫蘇巻き」
紀州の南高梅を当亭独自の梅がつをに仕上げ、これまた数日間寝かせば、
生唾ものの旨さ百倍...その梅がつを&茗荷千切りと共に青紫蘇で巻きました。
 
「ちりめん覚弥」
定かではありませんが、覚弥とは一説にはこの料理を考えられた坊さまの名前
とか!?  要は夏漬物の古漬を膾(なます)にし、音戸ちりめんや生姜みじん切りと
共に和えました。古漬特有の味わい深い酢つぱさが、堪らなく食欲食欲をそそる

昔懐かしい古里のおばあちゃんの味を、若い方々にも是非とも召し上がって頂き

たい一品です。

 

今年の八月も日毎連続の暑い毎日でいささか私たちの体が、すがすがしい秋を待ち
わびております。今週は過ぎ行く夏の素材にて夏の名残りの「食欲増進 山里料理」
でございます。

2011-08-21 19:31 | トラックバック(0) | コメント(0)

送り火は、盂蘭盆の十六日に、十三日の夕方に門前で麻幹(おがら)を焚いてお迎え
した精霊をふたたび火を焚いてお送りすることを申します。この風習は中世の頃から
行われ江戸時代に民間に普及したものだそうでございます。地方によっては違うよう
ですが現在行われている中では京都の大文字がよく知られており、盂蘭盆が終わる
頃もなれば 朝夕に秋の気配が漂い始めます。
 
 今週の初の膳 酒の肴膳は、「送火」をテーマとして
  お精進送り火和え、くるみ豆腐信濃煮
  無花果胡麻密だれ、生麩酢味噌、初秋茄子田楽
  湯葉とろろ汁、お口すすぎは 大徳寺納豆 でございます。

 

今週は、年に2週のみの精進料理で初秋の精進料理です。 私達も年に一、二度は
心を澄まし、清らか気分で精進料理を酒の肴に賞味しながら祖先を憶い、自分を振
返る一刻が欲しいものでございますね。

2011-08-16 13:05 | トラックバック(0) | コメント(0)

立秋は二十四節気のひとつで今年は8日を申します。立秋は夏至と秋分の丁度中間
にあたります。暦の上では、この日から秋に入り立冬の前日までを秋とし、立秋は
季節の区切りとされております。秋と申しましても秋とは名ばかりで尚も厳しい残暑が

続き古歌がむしろ立秋の季節感を伝えておりましょう。

「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音ぞ驚かれぬる」等と、この時節の気象上
夏型気圧配置が一時的に衰えることにより、雲や風の様相に秋の気配がしのびよっ

てくるのが僅かながらも感じられるようでございますね。
 
 今週の初の膳 酒の肴膳は、「立秋」をテーマとして
  鮎煮びたし、十三豆と蒸し鶏の胡麻和え
  小芋安倍川、南瓜真薯青汁、穴子茗荷なます
  沢煮椀汁、お口すすぎは すだち茶 でございます。

 

沢煮椀とは、吸い物出しに糸切りの白髪ねぎ・ごぼう・人参・木耳など、薬味には
白胡椒そして豚の背あぶらを入れるのが約束ごとで、食欲増進まちがいなしです。

 

さて今日「赤とんぼ」を見かけましたが、秋は早いと申しましても気持ちの上でも炎暑

の中に秋の気配を早く感じたいもので  盆の行事が一般に月遅れの八月十五日前後

に行われるので、行事上の秋は早いものでございます。暦の上では秋とは云え、まだ

まだ暑き日々が続き食欲の失せる頃ではございますれば、今週の膳に「秋の気配」
感じて頂ければ嬉しく思います。

 

2011-08-06 14:38 | トラックバック(0) | コメント(0)
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