年越し

2008年12月22日

心忙しい年の暮れ。いろいろと思い出の多かった今年も後数日となりましたが、

一年が終わる大晦日の週に当亭では、ひとと歳の水の恩を送るために茶家同様に

除夜釜をかけます。水と火がなくては茶湯は出来ぬと知りながらも、つい忘れがちに

なるのが「水の恩」。それゆえに年の境い目に改めて大年を惜しみ、感謝の念を新た

に致すのでございます。
  
 今週の初の膳/酒の肴膳は、「年越」をテーマとして 
  つもごり鴨蕎麦、春菊不老長寿和え
  鮭かぶら巻き、柚子田楽、烏賊にごり焼
  除夜粥汁、 お口すすぎは、芹 昆布茶 でございます。

やがて、とこからともなく除夜の鐘の音が、強く五十四、弱く五十四、合わせて

百八声。これは十二月、二十四節気、七十二候の合計がこの数だそうで、

人間の煩悩(心身をまし乱す迷いのもと)の総てを鐘の響きにのせて吹き祓う

のでございます。何卒良い年をお迎えなさいますよう お祈り申し上げます。  



今週は、最今の不況を吹飛ばさんが如く皆様とご一緒に毎年恒例の年越し餅つきを

致し、搗き立て餅をお召しあがり頂きます。  [12月22日より29日まで]

尚、本年は29日までの商いで御座います。新年は5日よりの初店でございますれば

来年も御贔屓下さいます様お願い申し上げます。         亭主合掌

2008-12-22 23:23 | トラックバック(0) | コメント(2)

冬至

2008年12月15日

冬至は二十四節気の暦の一つで、太陽が赤道から最も離れるときで昼間が最短、

夜間が最長の日でございます。冬至から日脚が伸び太陽の復活してくる日を祝う

風習から、南瓜を食べると中風にかからないとか、柚子湯に入ると風邪を引かない

などと云われ、古来より一年を健康で送る為には、人は「運、鈍、根」を身に付けて

おかねばならない故に、運「ン」の音の二つ重なる食材を七種食べて開運、厄除けを

致しました。今週のお膳には、その運「ン」の音の二つ重なる食材を七種組み入れた

お献立です。因みに21日は冬至を迎えます。

 今週の初の膳/酒の肴膳は、「冬至」をテーマとして
  冬至南瓜ほうとう、寒天寄せ柚子味噌
  荒巻鮭酒焼き、金銀冨貴、蓮根山家きんぴら
  曙人参軽羹仕立て、 お口すすぎは、柚子湯です

又、冬至は火祭りの行事として、柚子を縁の下に入れておくと火を防ぐとも言伝えも
ございます。ともあれ冬至の行事は、食生活が豊かな時代になっても、寒さというス
トレスに対応出来ないことの多い現代人に対して、色々と反省すべき示唆を与えてく
れておりましょう。

2008-12-15 23:08 | トラックバック(0) | コメント(2)

事始め

2008年12月08日

「事納め」が、まだなのに「事始め」とは 何ぞやと思われてる方もおられましょうが、
古来、陰陽学から陽の数字の極みとされた師走の十三日を「事始め」と申し、

正月の準備に取りかかったそうです。正月の準備に取りかかると云うことは、

事は始まったと解釈しても宜しいようで、京阪地方の商家、茶家、芸能界では

この日、衣服を改め日頃恩恵を受けている主家へ鏡餅を持参し祝着の意を表す

のが習わしで、この餅を「事始めの餅」と申します。事始めの礼も、歳暮の習わしも、

由来はともあれその心は同じであり、一年の終わりに感謝を込めて贈り物を持参し

御挨拶すると云うことは、これは人間の気持として自然な習わしでございましょうね。

 今週の初の膳/酒の肴膳は、「事始め」をテーマとして
  海老真薯吉野仕立て、落ち鱚末広うに焼き
  姫くわい揚げ、蕪千枚重ね寿、比婆蒟蒻田楽
  お事汁、 お口すすぎは、揚げ餅 でございます。

事始めのこの日から地方によっては門松を立てる所もあり、煤払いをする地方もあり
中国、九州では「正月始め」と云い、岐阜では「正月起こし」とも申すそうです。
早いものですね 約3週間後には正月を迎え、早や一年を終わろうとしております。

2008-12-08 22:52 | トラックバック(0) | コメント(1)

炉辺

2008年12月01日

冬構えの済んだ頃より、冬の寒さも厳しく雪の多い地方では冬籠りの季節となり、
昔の農家では囲炉裏の生活が始まったものでございます。煤けた天井からは自在が
下がり煮炊きする鍋がかかり、炉火を囲んでの食事や団欒の集いは、冬の農家の生
活の中心となる場所でございました。その炉辺の語らいは昔話、土地の風習、また
今日の話題等、次の世代へ受け継がれてゆく自然な姿でございましょうね。 

 今週の初の膳/酒の肴膳は、「炉辺」をテーマとして
  ほっけ炉辺むしり、身欠鰊大根炊き
  鴨どうふ、一文字ぐるぐる、冬漬物博多巻
  猪菜山家汁、 お口すすぎは、にごり酒でございます。

「 悲しみに 喜びに寄る 大炉かな 」 <山本作治朗>
燃えさかる火を囲んでは悲しみを語り合い、喜びに集う大炉は、その家のすべてを
物語り知っているのでございましょう。寒い今宵は、現代の生活様式では忘れられ
つつある炉辺の酒肴と談笑をお楽しみ下さい。
2008-12-01 20:58 | トラックバック(0) | コメント(2)
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