歳事記「初の膳味歴」

「季節の移ろい」わが国には四季があり、季節的な環境の変化は私たちの生活に深いかかわりを持ち、生活文化が生まれると同時に食文化が生まれました。
その週の季節行事または歳事記に因んだ四季折々の美味滋味を、年間五十二週の週替わりにてお献立致したもので、当亭では、これを「初の膳」と名付けました。
当亭では季節に節目をつけて肩肘張らずお気軽に、その季節の移ろいを五感でお楽しみ頂ければ幸いに思います。

※初の膳(¥1,890(税込))はおきまりの膳として必ずお召し上がり頂きます。
22時以降からご来亭の、既にお食事を済まされてる2次会様方の兼ねてよリの ご要望により「初の膳¥1.800」をご遠慮されてもよい事とさせて頂きます。
因みに、初の膳の代わりとして日替わり「酒肴三種付出し盛合せ¥800円」を おきまりとして、お召し上がり頂き酒の肴としていただきます。
尚、22時以降にも関わりませず「初の膳」をご所望のお客様方には今まで通り とさせて頂きます。

「初の膳味暦 秋の巻」

8月 6日〜11日「立秋」
暦の上では立秋(7日)から秋に入り立冬の前日までを秋とし、秋と申しましても秋とは名ばかりで尚も厳しい残暑が続きます。
8月13日〜18日「送火」
京都の大文字焼きが「送火」としてよく知られておりますが、今週は朝夕に秋の気配が漂い始める頃の「初秋の精進料理」です。 尚、8/16,17日は盆休みを頂戴致します。
8月20日〜25日「新涼」
お盆も過ぎた初秋に天地すべてが涼気が帯びて来るのを申しますが、日中はまだ残暑殊の外きびしく、「涼し」とするのは暑さあってこその季語ではないでしょうか。今週は過ぎ行く夏の名残りの山里料理です。
8月27日〜9月1日「野分」
"のわけ"とは立春から数えて二百十日頃あたりに台風を含めて野を吹き分ける秋の強風の意で、台風一過の澄み切った秋空を見上げておりますと「いよいよ酒と肴の旨さも深まる」などと私たち酒従の楽しみでもございます。
9月 3日〜8日「重陽」
重陽の節句は五節句の一つで菊の盛りなので菊の節句とも称し、菊の花びらを浮かべて酒を飲むと云う菊酒は邪気を払い命が延びるといわれ、栗も出まわる頃なので栗の節句とも称され栗飯を食べたり致しました。
9月10日〜15日「敬老」
17日は敬老の日。昔からお年寄りの事を萩の花によく例えて「萩真薯」& 御老人の白髪が如くの「林檎白和え」の料理などエトセトラ・・・・・
9月17日〜22日「秋色」
22日は秋分の日、彼岸の中日にあたります。お彼岸を過ぎる頃ともなれば、朝夕は涼しく一段と凌ぎやすく秋を感じ始める時節ともなります。
9月 24日〜29日「月見」
今年の「仲秋の名月」は9月30日にあたります。この夜、秋の七草を飾り団子,柿,芋,酒を供えて名月を賞でるのが「月見の宴」でございます。
10月1日〜6日「名残り」
昔は十月の茄子を「名残り茄子」又は、木に付けたまま売りに来たので「木なり茄子」とも申します。秋が深まるにつれ肌理がこまかくなり甘味を含んだ秋茄子は美味しゅうございますね。
10月8日〜13日「実り」
種を蒔いた春に対し、秋は収穫の時期であり「実りの秋」でございます。 これからは豊富に出回る秋の実りと酒の旨味が増してくる楽しみな時節ともなります。
10月15日〜20日「秋祭」
収穫の終わった頃は、あちらこちらで秋祭りが行われます。秋祭りは穀物の実りに感謝し神にも供えて共に喜ぶものでございます。縁結びも穀物の実りも共に喜ぶ気持は、ひとつでございましょう。
10月22日〜27日「秋の夜長」
十五夜を芋名月と云うのに対して、十三夜(23日)を栗名月とか豆名月と云い栗や大豆を供えて祭ります。十三夜の月は秋の夜長にしみじみとした情味を感じます。今週は「和蝋燭のほの明りで」秋の夜長をお楽しみ下さい。
10月29日〜31日「三昧」
この週をもちまして、三十年間燃え続けて参りました爐火を消させて頂く事となりました。

四季の微妙な移り行きに 鋭敏な感覚を学びながら、季節に折目をつけてお客様を迎え 従事者ともどもに未熟ながらも心をつくし、一期一会のおもてなしに努めて「光陰如矢」 気がついてみれば、早や本年をもちまして満三十年の月日が流れ去りました。
お客様の心を我が心に、甘酸鹹苦辛の五味をこえた真味、即ち「また食べたい」と感じて いただける後味を目指して務めること、それが「爐談亭のおもてなしの味」と考え 天地の恵みに感謝しつつ味わう巡りめく「四季の恵みの素材の味」。何よりもましまして 「お客様のもう一味」が、加わってからこその「三味一体」の爐談亭でございます。
残された日々を貴方様との出逢いに感謝申し上げ、千八百週目の最終章「三味の膳」 至十月三十一日まで、従事者ともどもに未熟ながらも心をつくし務めさせて頂く所存で ございますれば 皆様お誘い合わせの上、ご来亭をお待ち申し上げております。
末尾ともなりましたが、皆様の長年にわたるご愛顧ご厚情に 心からの感謝を申し上げま すと共に、今後益々のご健勝をお祈り申し上げます。

亭主敬白

「 三味一体、爐に満る 」 貴方様との出逢いに 感謝申し上げます。 合掌 

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